モラトリアムライフ

自由を求めて

今年の入試問題の数学(東工大)についての感想

はじめに

二次試験の当日に解いた感想と, 予備校の解答を見た感想を合わせて書きます. 解答見るまで, 大問4 (3)  n = 4 はわかりませんでした.

問1

誘導に乗って式変形するだけの非常に簡単な問題 .
思考もいらないし, 計算量も全くない. 強いて言えば, (1) → (2)で任意の三角形が適用可能であることをいう必要があるという点に留意する必要があるという点.

f:id:mathematicsian:20190302135720j:plain
my解答1

問2

未知の関数 f の変数が  xy の2変数では困るので  xy = t 置換すると積分区間も定数になってハッピー
f(x), f(x) \log x の原始関数の1つを P(x), Q(x) とおいて微分したものを使って代入して消してけば答えが出る.
予備校の解答例のように途中で積分しようとすると確かに計算は大変だけれど, 実際は積分微分, 代入, 展開程度しか要らないのでそこまで計算量多くないのでは? 確かに, 有界区間上の連続関数は原始関数を持つという事実は用いるが...

f:id:mathematicsian:20190302135939j:plain
my解答2-2
f:id:mathematicsian:20190302140224j:plain
my解答2-2

問3

素直にめんどくさい問題. 複素数の積が拡大, 回転であるという事実を鑑みればすべきことはほとんど明らか. 平行移動がないのが嬉しい. けれども, めんどくさ過ぎる. 作業量で言ったら, 問2よりミスしそうな気がするんですけど...

f:id:mathematicsian:20190302140441j:plain
my解答3

問4

これは難し過ぎる. 一般の数  n 枚の平面という抽象度の高い議論であるから, 漸化式で求めると予想できる. したがって,  n枚目の平面を追加したときの増分を考えると, 追加した平面が通る領域は前後に分けられ, 1つ領域が増えるので, 通る領域の数に等しい. これによって, " 断面図 "につくる領域の数を議論していけばいい. 平面を別の平行でない平面を断面とする断面図は直線であるということを考えると, 平面と直線の領域の数という典型問題に持ち込める. 残りは, 断面図がたくさん領域を持つような平面の取り方を議論していけばよい. (一般二項係数を用いれば計算は楽にできる) しかし, うまい条件をつくると, 小さい  n については明らかに条件を満たさないので個別に議論が必要である. 恥ずかしながら僕自身, (3) の  n = 4はできなかった.

f:id:mathematicsian:20190302140536j:plain
my解答4-1
f:id:mathematicsian:20190302140604j:plain
my解答4-2

問5

これも問1同様に誘導がめちゃくちゃ強いので誘導に乗って解くだけ. 典型問題.

f:id:mathematicsian:20190302140636j:plain
my解答5

全体についての感想*1

1, 5は思考はほとんどいらないし落とせない. 3も根気よくやればできる. 2は注意深く変形すればできる. 4は捨て問でしょうかね?
4番を除く問題は一部が評価してるほど難しくない(作業ゲー寄り)けど, 試験問題としてみれば(4番も含めればさらに)かなり難しい部類に入りそう. 150は欲しい, 240+αを目指していきたいような問題であるように個人的には感じました.
ただ, 受験会場で捨て問を作る勇気とか緊張感を加味して最低ライン120, 200超えられれば上出来って感じですかね?
最低点はめっちゃ下がりそうですね...(知らんけど)

*1:3/6追記 : 書き忘れてた